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美容整形の手術前に服用を中止しなければならない薬がある

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よく「血を止まりにくくする薬」「血液をサラサラにする薬」と呼ばれる薬があります。
こうした抗凝固薬や抗血小板薬を、医師に処方されて内服している方は、手術を受ける前に服用を中止をする必要があります。
その理由と、血液をサラサラにする薬についての、よくある疑問に答えます。

1.血液をサラサラにする薬は手術前に内服を中止する

狭心症や慢性動脈閉塞症の方、脳梗塞や心筋梗塞の既往のある方、心房細動のある方は、抗凝固薬や抗血小板薬を医師から処方され、内服していることがあります。
これらの薬は、俗に、「血を止まりにくくする薬」「血液をサラサラにする薬」と呼ばれています。
血液を固めるように働く凝固因子や血小板を抑制する薬なので、これらを飲んでいると、出血したときに血が止まりにくくなっています。
これらの薬を飲んでいる人が、内服を中止しないで手術を受けると、手術中や手術後に血が止まりにくくなり、必要以上に腫れたり、多量に出血したりするリスクがあります。
皮膚を切開するなど、一定以上の出血が予想される手術をする場合は、抗凝固薬や抗血小板薬の内服を中止して、手術が終わり出血がないことを確認してから内服を再開します。
以下、手術前に中止すべき抗凝固薬と抗血小板薬について説明します。

1-1.抗凝固薬

●ワーファリン(商品名)
一般名:ワルファリン
ジェネリック(後発医薬品):ワルファリンK
ビタミンK作用に拮抗して、肝臓でのビタミンK依存性血液凝固因子の生合成を抑制します。
半減期:55〜133時間
手術5日前に中止するのが目安。
●リクシアナ(商品名)
一般名:エドキサバン
血小板凝固因子の第Ⅹ因子を阻害します。
半減期:4.9時間
手術1日前に中止するのが目安。
●イグザレルト(商品名)
一般名:リバーロキサバン
Ⅹa因子を阻害します。
半減期:5.7〜12.6時間
手術1日前に中止するのが目安。
●エリキュース(商品名)
一般名:アピキサバン
Ⅹa因子を阻害し、プロトロンビンからトロンビンへの変換を抑制します。
半減期:6.1〜8.1時間
手術1〜2日前に中止するのが目安。
●プラザキサ(商品名)
一般名:ダビガトラン
トロンビンの触媒作用を阻害します。
半減期:10.7〜11.8時間
手術前の休薬期間は、個人差、手術による侵襲や出血の程度、当該薬中止によるリスクを考慮し、決定します。

1-2.抗血小板薬

●パナルジン(商品名)
一般名:チクロピジン
ジェネリック(後発医薬品):ジルペンダー、ジクロピジン塩酸塩、マイトジン
血小板のアデニレートシクラーゼ活性を増強させます。
半減期:薬の半減期は1.5〜1.7時間ですが、血小板に対する効果は不可逆的なので、作用消失に7〜10日間かかります。
手術10〜14日前に中止するのが目安。
●プラビックス(商品名)
一般名:クロピドグレル
ジェネリック(後発医薬品):クロピドグレル
血小板のアデニレートシクラーゼ活性を増強させます。
半減期:薬の半減期は6.9時間ですが、血小板に対する効果は不可逆的なので、作用消失に7〜10日間かかります。
手術14日前に中止するのが目安。
●プレタール(商品名)
一般名:シロスタゾール
ジェネリック(後発医薬品):コートリズム、シロシナミン、シロスタゾール、シロスレットゼリー、プレトモール、ホルダゾール
血小板及び血管平滑筋のPDE3活性を選択的に阻害します。
半減期:10.1〜13.5時間
手術2〜4日前に中止するのが目安。
●エパデール、エパデールS(商品名)
一般名:イコサペント酸
ジェネリック(後発医薬品):アテロバン、イコサペント酸エチル、エパキャップ、エパラ、エパロース、エメラドール、シスレコン、ナサチーム、メルブラール、ソルラミン
血小板膜イコサペント酸含有量増加させて、TXA2産生を抑制します。
半減期:58〜65時間
手術7〜10日前に中止するのが目安。
●ドルナー、プロサイリン、ケアロードLA、ベラサスLA(商品名)
一般名:ベラプロスト
ジェネリック(後発医薬品):プロルナー、ベラストリン、ベラプロストNa、ベラプロストナトリウム
血小板及び血管平滑筋のプロスタサイクリン受容体を介して、アデニレートシクラーゼ活性を増強します。
半減期:ドルナー、プロサイクリンは約1.1時間
ケアロードLA、ベラサスLAは約14.7時間
ドルナー、プロサイクリンは手術1〜2日前に中止するのが目安。
ケアロードLA、ベラサスLAは手術2〜3日前に中止するのが目安。
●プロレナール、オパルモン(商品名)
一般名:リマプロスト
ジェネリック(後発医薬品):リマプロストアルファデクス錠、リマルモン
血小板及び血管平滑筋のプロスタサイクリン受容体を介して、アデニレートシクラーゼ活性を増強します。
半減期:0.5時間
手術1日前に中止することがあります。
●アンプラーグ(商品名)
一般名:サルポグレラート
ジェネリック(後発医薬品):サルポグレラート塩酸塩
血小板及び血管平滑筋の5-HT2受容体を選択的に拮抗します。
半減期:0.6〜0.9時間
手術1〜2日前に中止するのが目安。
●バイアスピリン、バファリン、タケルダ(商品名)
一般名:アスピリン
ジェネリック(後発医薬品):アスファネート、ニトギス、バッサミン、ファモター、ゼンアスピリン、ニチアスピリン
血小板シクロオキシゲナーゼを阻害する。
半減期:薬の半減期は0.4時間ですが、血小板に対する効果は不可逆的なので、作用消失に7〜10日間かかります。
手術7〜10日前に中止するのが目安。
●ペルサンチン(商品名)
一般名:ジピリダモール
ジェネリック(後発医薬品):ジピリダモール錠、アンギナール、コロナモール錠、ピロアン錠、ニチリダモール錠、ヨウリダモール錠、ペルミルチン錠、パンゼム細粒、ペルチスタン錠
血小板内のホスホジエステラーゼの活性を阻害します。
半減期:約1.7時間
手術1〜2日前に中止するのが目安。
●コンプラビン(商品名)
一般名:クロピドグレル・アスピリン配合
クロピドグレルとアスピリンを配合した薬。クロピドグレルは、血小板のアデニレートシクラーゼ活性を増強させる。
半減期:クロピドグレルの半減期は6.9時間ですが、血小板に対する効果は不可逆的なので、作用消失に7〜10日間かかります。
手術14日前に中止するのが目安。
●エフィエント(商品名)
一般名:プラスグレル
ADP受容体P2Y12を選択的かつ非可逆的に阻害します。
半減期:0.9〜4.9時間(活性代謝物R-138727のパラメータ)
手術14日前に中止するのが目安。

2.血液をサラサラにする薬FAQ

血液をサラサラにする薬について、よくある疑問に答えます。

2-1.どんな手術のときに薬を中止する?

原則として、皮膚や粘膜を切開する手術は、手術中や手術後に出血が止まりにくくならないよう、手術前に抗凝固薬や抗血小板薬を中止します。
具体的にいうと、
●目もと
二重まぶた・ミニ切開法(部分切開)、二重まぶた・全切開法、目頭切開、目尻切開、眼瞼下垂、上まぶたたるみ取り、下まぶたたるみ取り、下まぶたの脂肪取り、上眼瞼リフト(眉下切開による上瞼たるみ取り)、逆さまつ毛修正、蒙古ひだ形成・目頭切開後の修正、タレ目(パンダ目)形成(グラマラスライン/下眼瞼下制術)
●鼻
隆鼻術(シリコンプロテーゼ)、鼻翼縮小(小鼻縮小)、耳介軟骨移植(鼻先を出す)、骨切幅寄せ(鼻の根元を細く)、わし鼻・段鼻修正,ハンプ切除、斜鼻修正(曲がった鼻をまっすぐに)、鼻翼挙上手術、眉間プロテーゼ、鼻のシリコンプロテーゼ抜き(除去)
●耳
立ち耳、耳たぶ縮小
●口もと
唇を薄く、ガミースマイル手術、鼻の下を短く(上口唇短縮手術、上口唇リフト、リップリフト、人中短縮術)
●あご、輪郭
あご形成(シリコンプロテーゼ)、あごのシリコンプロテーゼ抜き(除去) 、額形成(額を丸く出す・額を出す)、頬骨削り、バッカルファット除去
●たるみ
ミニリフト(頬のたるみ取り)、ミディアムリフト、フルフェイスリフト、こめかみリフト、ポニーテールリフト、額リフト
●ほくろ、イボ
CO2レーザー・切除縫縮手術
●豊胸
豊胸手術(プロテーゼ挿入)、脂肪注入豊胸、陥没乳頭、乳頭縮小、乳房縮小、乳輪のぶつぶつ(モントゴメリー腺)除去、下垂乳房形成(垂れ乳修正)、胸のシリコンプロテーゼ抜き(除去)
●脂肪吸引
脂肪吸引(顔、二の腕、お腹、背中、腰、お尻、太もも等)、腹リダクション(お腹のたるみ取り)
●女性器
小陰唇縮小手術、クリトリス包茎
●傷跡修正手術
以上の手術では、抗凝固薬や抗血小板薬を中止します。
●二重まぶた・埋没法
皮膚を切開せず、針で糸を通すのみの手術なので、私(高須幹弥)に関しては、抗凝固薬や抗血小板薬を中止しないですることが多いです。
ただ、リスクとの兼ね合いなので、場合によっては薬を飲んでる状態での手術をお断りすることがあります。
●ウルセラシステム、サーマクールアイ、ポラリス、フラクセル2、IPLフォトフェイシャル、Vビーム
こうした照射系治療は、出血のリスクがほぼないので、私に関しては抗凝固薬や抗血小板薬を中止せずにすることが多いです。
●イタリアンリフト、イタリアンリフトファイン、金の糸(ゴールデンリフト)、ウルトラVリフト
こうした糸のリフトアップ手術は、出血のリスクはさほど高くないので、私に関しては抗凝固薬や抗血小板薬を中止せずにすることが多いです。
ただ、飲んでいる状態でこうした手術をすると、薬を飲んでいない人にくらべて、多少腫れることがあります。
●額、こめかみ、頬、ほうれい線、上まぶた、目の下、目の周り、涙袋、鼻、あご、唇、豊胸のヒアルロン酸注射、ヒアルロニダーゼ、額、目尻、眉間、鼻根、あごなどのしわ、エラ、ガミースマイル、口角(口角を上げる)、タレ目、肩、ふくらはぎ、わきのボトックス・ボツリヌストキシン注射、小顔専用脂肪溶解注射メソシェイプフェイス、イタリアン・メソシェイプ(イタリアンメソセラピー)・脂肪溶解注射
こうした注射による治療は、出血のリスクはさほど高くないので、私に関しては抗凝固薬や抗血小板薬を中止せずにすることが多いです。
ただ、飲んでいる状態でこうした手術をすると、薬を飲んでいない人にくらべて、内出血が出る確率が多少高くなります。

2-2.自分の判断で薬を中止してもいい?

ハイリスクな患者さんの場合、抗凝固薬や抗血小板薬を処方している先生に、手術をしていいか、手術をする際に内服を中止していいかの指示をあおぐのが望ましいです。
私に関しては、ハイリスクな患者さんの場合、原則として、抗凝固薬や抗血小板薬を処方している先生に、手術前に内服を中止したいという紹介状を、私が書きます。
処方している先生から、手術前の内服中止の許可がもらえたら、その指示通りに手術します。
特に、人工血管が入っていたり、心臓の血管にステントが入っていたりして抗凝固薬や抗血小板薬を内服している人は、内服を中止することで、命に関わる場合もあります。
病気や病状によっては、抗凝固薬や抗血小板薬を中止することが大変大きなリスクになるので、内服の中止は慎重に行います。

2-3.薬を中止して手術した後はいつから再開できる?

手術後に持続的な出血がないことを確認し、再出血のリスクがなければ、抗凝固薬や抗血小板薬の内服を再開します。
手術の内容や状態、術後の経過などによりますが、眼瞼下垂などの比較的小さな手術の場合は、24時間経過して問題なければ内服を再開することが多いです。
ミディアムリフトなどの比較的広範囲の手術の場合は、2〜3日後くらいに、内服を再開することが多いです。

2-4.高脂血症の薬やコレステロールを下げる薬も血液をサラサラにする薬?

高脂血症や高コレステロール血症の薬は、血液中のトリグリセライドやコレステロールを下げます。
血液がサラサラになるという表現もできますが、強い抗凝固作用や抗血小板作用がないなら、出血が止まりにくくなるリスクは低いので、手術前に中止する必要はありません。
抗血小板作用がある薬は、手術の7〜10日前に内服を中止してください。

3.まとめ

狭心症の方や脳梗塞の既往のある方は、俗に、「血を止まりにくくする薬」「血液をサラサラにする薬」と呼ばれる、抗凝固薬や抗血小板薬を内服していることがあります。
こうした薬は、出血したときに血が止まりにくくなります。
原則として、皮膚や粘膜を切開する手術は、出血が止まりにくくならないよう、抗凝固薬や抗血小板薬の服用を手術前に中止します。
埋没法は針で糸を通すのみの手術なので、服用を中止しないこともあります。
ウルセラなどの照射系治療、ゴールデンリフトなどの糸系リフトアップ手術、ヒアルロン酸などの注射による治療は、出血のリスクが高くないので、服用を中止しないことが多いです。