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本当は危ない!?海外での美容整形手術はリスクがいっぱい

A young woman excited for vacation

最近多くなってきているのが、海外での施術です。
ただ、日本での施術と違って、いろいろな条件が変わってくるためにトラブルも多く報告されています。
なぜ、海外での施術がトラブルになるか、説明していきましょう。

1.海外での施術は不安要素がいっぱい

日本に住んでる日本人なのに、韓国やタイで美容整形手術を受けて、上手くいかずに修正手術目的で来院される方が増えています。
特に、アベノミクス前の円高の時代には多かったです。
「日本に住んでるのに、なぜわざわざ海外で手術を受けたのですか?」と質問すると、「円高の影響で、安く整形手術を受けられるツアーがあったから」という答えでした。
「タイは物価が安いので、日本よりもはるかに安く整形手術が受けられる」
「ツアー会社の人は、日本よりも韓国の方が整形手術の技術は進んでいるから、日本より韓国で手術を受けるほうがいいと言っていた」
「ツアー会社の人は、タイは発展途上国のイメージがあるけど、整形手術の技術は日本と同じくらい進んでいる」などの答えもありました。
本当にそうでしょうか。
確かに、韓国の美容整形技術は進んでいます。
タイの医療技術も進んでいます。
ですが、美容整形手術は、旅先で気軽に受けるものではありません。
美容整形とは、切る手術はもちろん、ヒアルロン酸などの注射治療などひとつとっても、術後のアフターケアが非常に大切です。
1回の手術で100%満足できればいいですが、術後に何か問題があったり、修正の必要がある場合は、日本に帰ってからではどうすることもできないのです。

2.美的感覚の違いは埋めがたい

韓国は、日本以上に美容整形が盛んで、技術的には日本とほぼ同じくらいのレベルの高さです。
だからといって安心ではありません。
外国で美容整形することに関しては、いろいろな不安要素があります。
たとえば、日本とほかの国々では微妙に美的感覚が違います。
韓国では、日本以上に美容整形がオープンです。
日本では、整形したことがばれないように自然に仕上げるのが主流になっているのに対し、韓国では、整形したとわかってもいいから美人に、あるいはハンサムになればいいという考え方です。
また、日本と韓国では流行っている顔も違います。
日本人が韓国で整形すると、韓国で流行っている顔になることもあります。
ただでさえ言葉が通じにくいのに、日本人の希望する微妙なニュアンスを、向こうの医者に伝えるのは非常に困難だと思います。
安価に美容整形ができるアジアだけではありません。
ヨーロッパやアメリカで整形しても同じです。
ヨーロッパなどで似顔絵を描いてもらうと、似ても似つかないことがあります。
技術的な問題もあるでしょうが、日本人が日本人を見るのと、ヨーロッパやアメリカの人が日本人を見るのとでは、違った印象となるようです。
こうした状態で、理想の顔を説明するのは至難のわざと言っていいでしょう。

3.人種によって皮膚の状態が違う

東洋人、西洋人、黒人では、肌の色、肌質、顔の作り、体型などが大きく異なります。
日本人や韓国人は、分厚い一重まぶたが多く、鼻が低く、あごがあまり出ていなくて、エラが張っています。
また、東洋人の皮膚は真皮が厚く、きれいに縫合しないと傷跡が目立つ肌質をしています。
白人は一般的に彫りが深い顔で、二重まぶたで、鼻が高く、あごが出ています。
皮膚は真皮が薄く上皮が厚いために、ていねいに縫合しなくても比較的傷が治りやすい肌質をしています。
日本や韓国では、二重まぶたの手術、目頭切開、鼻を高くする治療、あごを出す治療、エラを細くする治療などが主流で、これらの治療に関しては世界のツートップです。
一方、肥満大国であるアメリカやブラジルでは、日本にくらべ、乳房縮小手術、アブドミノプラスティク(腹部脂肪切除)、胃縮小術、胃バイパス手術などはたくさん行われています。
しかし、西洋人は東洋人にくらべ、体質的に傷がきれいに治りやすく、傷自体を気にしない国民性のためか、白人の美容外科医は日本人の美容外科医より傷の縫合が雑です。
たとえば、プロテーゼ豊胸手術の場合、日本では目立たないよう、わきの下のしわに沿って切開し、プロテーゼをそこから入れます。
そうして、わきの傷はていねいに中縫いと外縫いをします。
アメリカやブラジルでは、バストの下を切開し、プロテーゼを入れ、傷はホッチキスで止めておしまいです。
そのため、日本人がアメリカやブラジル、ヨーロッパなどで豊胸手術、フェイスリフト、上まぶたや下まぶたの手術を受けると、傷跡がケロイドとして残ってしまう場合が多いのです。
皮膚構造が同じでも、皮膚の状態の違いで、傷跡も変わってきます。
これを知っていないと、海外で施術した場合の失敗につながります。

4.いい美容外科に当たるとは限らない

海外でも日本と同じで、いい美容外科もあれば悪い美容外科もあります。
悪い美容外科に当たれば、よくない結果になりがちです。
最近多い例では、韓国で顔に何かを注入して、それがしこりのように不自然になり困っている症例です。
韓国の医者は、ヒアルロン酸あるいはコラーゲンを注射したというのですが、明らかに質の悪い非吸収性の注入物が入っています。
何が混入されているかわからないと、修正するのが非常に困難です。
韓国だけでなく、どこの国でもこういうことは起こりえます。
ヒアルロン酸注射やコラーゲン注射、ボトックス・ボツリヌストキシン注入などには、アメリカ製、イギリス製、中国製、韓国製、タイ製、インド製など種類も多くあります。
中には、質の悪いものもあります。
悪いクリニックに当たってしまうと、結果が満足できないだけでなく、質の悪い注射で、あとあとまで悩まされる結果となります。

5.言葉の壁もある

海外ツアーで美容施術を受けた方に聞くと、以下のことも大きいようです。
「カウンセリングのとき、ガイドの通訳さんが一緒で、通訳さんを通じてのカウンセリングだったので、自分の意見を思うように伝えることができなかった」
「先生の言っていることもよくわからなかった」
たとえ通訳がついていても、自分で説明するのと微妙に違ってくる場合があります。
美的感覚が違う上、微妙なニュアンスが伝わらないと、仕上がりに満足できるはずはありません。
思った通りの仕上がりではなかったから修正したくても、帰国してしまえば、それも難しい話です。
たとえ言葉ができても、海外で修正するには時間的、距離的な制約が大きいです。
整形ツアーの旅行代理店に文句を言って手術代金を返金してもらおうとしたけれど、「提携している美容整形クリニックで手術を受けるツアーを組んでいるだけで、手術の結果に対する補償はできません。そのことは契約書に書いてあります」といわれるだけで、取り合ってもらえなかったという話も聞きます。
帰国してから日本で修正するなら、なんのための海外施術だったのかということになってしまいます。

6.美容施術は医療行為

当たり前ですが、美容施術は医療行為です。
海外で美容整形してきた日本人で、手術が上手くいかなかった方をカウンセリングしていると、美容整形手術を安易に考えている場合が多いようです。
エステに行ってマッサージを受けたり、美容室で髪を切ったり、ブティックで洋服を買ったりするのと同じ感覚で、海外で美容整形を受けてくるのです。
美容整形はあくまで医療行為であり、人間の体にある程度の手を加えて、美しく変化させるものです。
海外で美容整形を受けようとしている人は、「必ず理想の自分になれるだろう」と夢を描いているのでしょう。
でも、美容整形手術の結果は、きわめて現実的です。
また、美容整形手術は、アフターケアが重要になることがあります。
日本人が日本で手術を受ければ、不安ならすぐ担当医に診てもらうことができます。
海外で手術を受けた場合、手術の経過に不安なことがあっても、担当医に診てもらうことができません。
海外で手術を受けて、満足している方も大勢いると思います。
ですが、後悔している方も、当クリニックにはよくいらっしゃるのです。

7.医師の立場からの海外施術の難しさ

海外施術の難しさは、医師の立場から私自身も実感しています。
最近は、中国から当クリニックに手術を受けに来る方が多いです。
中国で当クリニックのホームページや、私のオフィシャルブログを見て、わざわざ日本まで来てくれます。
中国本土にも美容整形クリニックはたくさんあるのですが、中国の富裕層の人たちは、日本や韓国まで行って手術するのが主流となっています。
中国本土のクリニックで手術を受けるのは、主に中間層の人達だそうです。
しかし、中国人の方を診察、カウンセリングするのは非常に大変です。
本人は日本語がまったくわからない場合がほとんどで、必ず通訳同伴です。
私の説明も、本人の希望も、すべて通訳を通じてということになります。
カウンセリングだけでも、日本人にくらべて3倍以上時間がかかります。
しかも、遠路はるばる来ただけあって、過剰なまでの期待をしている方が多く、二重まぶたの仕上がりなどでも要求が多く非常に細かいです。
ほとんどの方は、中国の女優さんの顔写真を見せて、「こういう顔になりたい」と説明します。
しかし、本人の顔と女優さんの顔がかけ離れていることが多く、現実的にその女優さんの顔にすることは不可能です。
しかし、「わざわざ日本まで来て指名した有名な医者だから、必ず私の望みをかなえてくれるだろう」と目を輝かせているのです。
期待を裏切るわけにはいかないので、私は徹底的にできることとできないこと、無理な手術をした場合のリスクなどについて説明します。
そして、私の意見と要望を折衷して、最終的なデザインを決めます。
しかし、それもすべて通訳を通してなので、本当に私の言いたいことが本人に伝わっているのか不安なことが多いです。
たとえば、二重まぶた切開法を行う場合は必ず、「1週間は傷に糸がついていて強い腫れがあり、完全に腫れが引いて完成するのは約6ヶ月後。腫れている間は予定よりも二重の幅が広くなってますが、必ずおさまります」と、説明します。
しかし、ほぼ100%の方は、1週間後の抜糸で、あるいはその前に、クリニックで大騒ぎします。
ものすごい剣幕で、私にどなり散らします。
通訳に話を聞いて、やっと予定していた二重の幅より広いことに怒っているのがわかります。
「腫れていて幅が広いだけで、腫れは少しずつ引いて、必ず予定していた幅に落ち着きます」と、ふたたび時間をかけて説明します。
これも通訳を通じての説明なので、すごく時間がかかります。
これでやっと安心して、笑顔を取り戻します。
このような私の経験からも、外国に行って美容整形手術を受けるのは、とても大変なことだとわかります。

8.まとめ

海外での施術は、言葉の壁、皮膚の状態の違い、美的感覚の違いなどがあり、希望通りの仕上がりを望むのは非常に難しいです。
海外という距離的な問題、旅行先という時間的な制限もあり、満足のいく仕上がりでない場合の修正もできない場合があります。
結局、どこの国の人も、自分の国の腕のいい医者に手術してもらうのが一番です。