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陥没乳頭の手術は術式に注意!間違えると再手術のリスクが高まる

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陥没乳頭とは、表に出ているはずの乳首が、中に入り込んでしまっている状態です。
バストの大きい女子が増えたためか、最近は陥没乳頭も増えています。
若い女性の5人に1人は陥没乳頭というデータもあります。
陥没乳頭を治す手術には、いろいろな術式があります。
ときどき陥没する程度の軽症の陥没乳頭なら、どんな術式でも大丈夫です。
そうでない場合は、術式によっては治らないか、治っても時間がたつと後戻りしてしまいます。
再手術はより難しくなるので、陥没乳頭の手術の術式について、しっかり理解しておくことが大切です。

1.陥没乳頭の手術の術式について

陥没乳頭の手術の、術式について解説します。
陥没乳頭を治す手術には、陥没の状態などによって、さまざまな術式があります。
普段は陥没していない状態で、ときどき陥没する程度の軽症の陥没乳頭なら、難波法や埋没式でも治ることがあります。
難波法は、乳頭(乳首)の周囲を3ヵ所くらいZ法で形成して、延長し、基部、つまり根元の部分を引き締めて固定する術式です。

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乳頭の周囲に3ヵ所程度Z形成
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難波法の側面
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Z形成で延長し、基部を引き締め
【出典:http://www.takasu.co.jp/operation/bust/kanbotsu.html

埋没式は、乳頭の基部に小さな切開をして、短縮している乳管を解除します。
そうして、ナイロン糸でぐるっと一周し、乳頭を引っ張り出して基部を締め上げて再陥没を予防する術式です。

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基部にメスで針穴を空けて糸を通す
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【出典:http://www.takasu.co.jp/operation/bust/kanbotsu.html

非常に軽症の陥没乳頭なら、こうした術式で完治することもあります。
しかし、ある程度しっかりした陥没乳頭だと、こうした術式では陥没を治すことができないか、もしくはいったん治っても、時間がたつと後戻りしてしまうことがあります。
また、こうした術式は、刺激をしても一切出てこないような中等度〜重症の陥没乳頭には、全く効果がありません。
そのため、私(高須幹弥)は、もっとも根治的で後戻りが起こらない術式で、陥没乳頭の手術を行ってます。
以下、詳しい手術の流れを解説します。

1-1.局所麻酔をして皮膚を切開する

麻酔のクリームを塗った後、比較的感覚の鈍い乳頭基部から、極細の注射針で局所麻酔を注射します。
感覚の強い乳頭の先端からの注射ではないので、痛みはわずかです。
陥没乳頭はほとんどの場合、乳頭の真ん中辺りを中心に水平にくびれていて、このくびれに引っ張られて陥没しています。
メスで、くびれのラインに沿って乳頭の皮膚を切開します。

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側面
【出典:http://www.takasu.co.jp/operation/bust/kanbotsu.html

1-2.陥没している乳頭を引き出す

切開した創部から、突っ張っている乳管の周囲の結合組織を解除して、陥没している乳頭を引き出します。
このとき、授乳機能を温存するために、引きつっている乳管を切断したり、傷つけたりは可能な限りしないように、乳頭を慎重に引っ張り出します。
特に、今後、妊娠、出産、授乳をする予定のある方にとって、術後に授乳ができるようにするのは大変に重要なので、乳管は可能な限り温存するようにしています。
この処理を行わないと、せっかく手術をしても後戻りを起こして、また陥没してしまいます。
乳管の突っ張りの強い人や、何回も乳腺炎を繰り返して瘢痕化している人ほど、きちんと処理しないと後戻りを起こしやすいです。
ただ、正しい手術を正確に行えば、まず後戻りは起こりません。

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【出典:http://www.takasu.co.jp/operation/bust/kanbotsu.html

1-3.乳頭基部を縫縮する

陥没している乳頭を引き出した後は、再び陥没して後戻りしないように、乳頭の基部を縫い縮めます。
異物が残らないよう、吸収糸(溶ける糸)で中縫いをします。
糸が吸収されてなくなっても、組織同士が癒着してくっついているので、後戻りすることはありません。
最後に、乳頭の表面の皮膚をていねいに縫合して、手術終了です。
表面は青色透明の細いナイロン糸(非吸収糸)で縫合するので、7〜10日後くらいに抜糸をします。
抜糸後は、傷跡はほとんど目立たなくなります。

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【出典:http://www.takasu.co.jp/operation/bust/kanbotsu.html

2.他院で陥没乳頭の手術をして元に戻ったら?

「他院で陥没乳頭の手術をしたのですが、あまり改善していなくて、しばらくしたら完全に元に戻ってしまいました。
これは、何がいけなかったのでしょうか?
手術に問題があったのでしょうか?
修正手術してもらえば、ちゃんと治りますか?」
という方がいます。
恐らく、手術に問題があって、元に戻ってしまったのだと思います。
陥没乳頭は、乳頭の中央部分の一部の乳管が未熟で、短縮した状態なので、中央部分が引き込まれて、閉じている状態です。
手術で陥没乳頭を治す場合、短縮している乳管を解除し、引っ込んでいる乳頭を引き出して、また引っ込まないように固定する必要があります。
手術の術式には、1で説明したとおり、
(1)乳頭基部の周りに3ヶ所程度Z法を行い、引き出して固定する難波法
(2)乳頭基部に小さな切開をして、短縮している乳管を解除し、ナイロン糸で基部を締め付けて固定する埋没式
(3)乳頭の真ん中に割を入れて、短縮している乳管を解除して引き出し、基部を縫縮固定して縫合する方法
などがあります。
質問された方が、他院でどの術式をしたのかわかりませんが、短縮した乳管の処理が甘く、後戻りしてしまった可能性が高いです。
再手術する場合は、前回の手術から6ヶ月以上経過してから行うのが望ましいです。
傷跡や瘢痕組織がある程度は成熟し、多少軟らかくなってから行うほうが、手術がやりやすいし、血流障害で乳頭の皮膚が壊死するなどのリスクが起こりにくいからです。
再手術するときは、もっとも確実に、短縮した乳管を直接見ながら解除することができる(3)の方法で行うことが多いです。
再手術は、初回の手術と異なり、乳管の周りに硬い瘢痕組織ができているので、難しくなります。
特に、今後、妊娠、出産する予定がある患者さんの場合は、授乳機能を残すため、乳管をできるだけ傷つけないように温存する必要があります。
確実に後戻りしないように治そうとすると、乳管を切り離したり、引き出した乳頭の基部を薄くしたりしないといけなかったりします。
すると、授乳機能があまり残らなかったり、乳頭の尖端の皮膚が血流障害を起こして壊死したりするリスクが高くなります。
逆に、授乳機能をしっかり残して、血流障害による壊死も起こらないようにしようと思うと、乳管の処理が甘くなり、再び後戻りして陥没してしまうリスクがあります。
こうした理由で、陥没乳頭の再手術は難しいことが多いです。
ただし、正しい手術を行えば、必ず治るし、再陥没することもありません。
当クリニックには、手術の上手なベテランの形成外科医が多数います。

3.陥没乳頭の症例

20代の女性です。
診察したところ、両側の乳頭が完全に陥没していて、刺激してもほとんど出てこない、重症の陥没乳頭でした。
また、まだ未婚で、今後、妊娠、出産、授乳する可能性が非常に高いということでした。
手術は、局所麻酔下で、乳頭の真ん中のくびれている部分を切開しました。
可能な限り乳管を温存しながら、乳管の周りの結合組織をはさみで縦に割き、引っ込んでいる乳頭を引っ張り出しました。
特に真皮弁を起こすような操作はしないで、乳頭基部の真皮を溶ける糸(吸収糸)で縫合した後、乳頭同士も吸収糸で縫合して、表面を細いナイロン糸で縫合しました。
術後は陥没していた乳頭がきれいに出て、バランスのいいバストになり、一切後戻りも起きていません。
また、乳管を可能な限り温存したため、今後、妊娠、出産、授乳することがあっても、授乳時にちゃんと母乳を出すことができます。
陥没乳頭は、乳腺の発達に、乳管の発達が追いつかなくて起きることがほとんどなので、この方のように、比較的バストが大きい人に見られます。
貧乳で陥没乳頭の人はいません。
大きくて形もきれいなバストなのに陥没乳頭だと、バランスが悪く、見た目も美しくないので、手術で治してあげるのがいいでしょう。

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Before
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Before(側面)
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After(手術直後)
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After(10日後)  抜糸後。 腫れはほとんど引いている
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After(1年後)  傷跡はほとんどわからない
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After(1年後 側面)
【出典:http://www.takasu.co.jp/operation/bust/kanbotsu004.html

4.まとめ

陥没乳頭の手術には、さまざまな術式があります。
(1)乳頭基部にZ法を行い、引き出して固定する難波法
(2)乳頭基部を切開して乳管を解除し、糸で締め付けて固定する埋没式
(3)乳頭に割を入れ、乳管を解除して引き出し、基部を縫縮固定する方法
ときどき陥没する程度の軽症の陥没乳頭なら、(1)(2)の術式で完治することもありますが、刺激しても出てこないような中等度〜重症の陥没乳頭には、(3)が効果的です。
陥没乳頭の手術をしたのに元に戻ってしまい、再手術するような場合は、前回の手術から6ヶ月以上経過してから行うのが望ましいですが、難しいことも多いです。
後戻りしないためには、乳管を切り離したり乳頭の基部を薄くしたりする必要がありますが、こうすると、授乳機能が残らなかったり乳頭が壊死したりするリスクが高まります。
逆に、授乳機能をしっかり残して、壊死も起こらないようにすると、乳管の処理が甘くなり、再び後戻りして陥没してしまうリスクがあります。